フリーソフトだけを使ってボイスチェンジを行う方法を説明します。
(本スレvol.8の 897、及び 910 のやり方の具体例です)
いくつかのソフトウェアが必要です。
1:使用するソフト及びVSTプラグイン
2:前準備
3:使い方
4:Skypeで使う
1:使用するソフト及びVSTプラグイン
目次
#1-1) 猿ちぃ
#1-2) YAMAHA NETDUETTO
#1-3) EffectChainer
#1-4) multiFxVST
#1-5) Rovee
#1-6) LinearPhaseGraphicEQ
#1-7) ReaPlugs
#1-1) 猿ちぃ++
→ https://vad.seesaa.net/article/135937715.html
デバイスからデバイスへと音を転送するサウンドルーティングユーティリティー。
リンク先の「猿ちぃ03」の中に同梱されています。
猿ちぃ++じゃなくても、猿ちぃ04や猿ちぃ03の中の01~03のどれか一つでもかまいません。
#1-2) YAMAHA NETDUETTO
→ https://netduetto.net/
YAMAHA製仮想オーディオドライバ。
ネット上で楽器同士のセッションやデュエットを行うことを想定して作られていて
少ない遅延で高品質なオーディオデータを送受信できる。
#1-3) EffectChainer(VSTホストプラグイン)
→ https://www.softpedia.com/get/Multimedia/Audio/Audio-Editors-Recorders/EffectChainer.shtml (*1)
VSTプラグインとして読み込むVSTホスト。
VSTプラグインが1つしか読み込めない猿ちぃで複数のVSTプラグインが使用できる。
(VSTプラグインによってはEffectChainerで読み込んでも使えない場合がある)
*1:
リンク先はSoftpediaと呼ばれる、ファイルアーカイブサーバーへのリンクです。
無料でツールを公開していたソフトウェア会社(Acon Digital)の公式サイトからはダウンロード出来なくなりました。
公式サイトでの配布ではない為、ダウンロード及び使用に関しては自己責任でお願いしますm(_ _)m
#1-4) multiFxVST(VSTホストプラグイン)
→ https://www.ctaf.free.fr/dokuwiki/doku.php?id=meslogiciels
EffectChainerの公式配布がなくなったので、Softpediaからダウンロードして使うのは怖いという人向け。
また、EffectChainerはWindows7 64bitでは使用できない為、OSがWindows7 64bitの人はこちらを推奨。
EffectChainer同様、VSTプラグインによっては読み込んでも使えない場合がある。
#1-5) Rovee(VSTプラグイン)
→ https://www.g200kg.com/jp/software/rovee.html
ボイスチェンジャープラグイン。
KeroVeeという高機能ピッチ補正プラグインの機能縮小版。
縮小版といっても、ボイスチェンジに必要な機能だけを取り出したもの。
必要最小限の機能の為、動作が軽い(KeroVeeは若干遅延が大きくなります)。
#1-6) LinearPhaseGraphicEQ(VSTプラグイン)
→ https://www.geocities.jp/webmaster_of_sss/vst/#lpgeq
15バンドグラフィックイコライザーのVSTプラグイン。
作者が日本人なので使いやすい。
15バンドじゃ足りない、という方は
→ https://www.geocities.jp/webmaster_of_sss/vst/#lpgeq2
同じ作者が公開しているこちらの61バンドグラフィックイコライザーをどうぞ。
#1-7) ReaPlugs(VSTプラグイン)
→ https://www.cockos.com/reaper/reaplugs/index.php (*2)
シェアウェアのDAWソフト REAPER に内蔵されているエフェクトの一部をVSTプラグインとして使うプラグインセット。
この中の ReaFIR というエフェクタが高機能で便利なので、PCスペックに余裕のある人に推奨。
*2: (2018/06/10 追記)
このまとめを作成した時期はReaPlugsは32bit版しかなかったのですが、
現在は32bit版と64bit版の2つがダウンロード出来るようになっています。
そして猿ちぃが32bitアプリケーションの為、64bit版VSTプラグインは読み込めないようです。
ダウンロードの際には32bit版のReaPlugsを選択して下さい。
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2:前準備
使用するソフトのダウンロード、及びインストールをします。目次
#2-0) 各ソフトをインストールするフォルダを決める
#2-1) 猿ちぃをダウンロード&展開
#2-2) YAMAHA NETDUETTOをインストール
#2-3) EffectChainerをインストール
#2-4) multiFxVSTのダウンロード&展開
#2-5) Roveeのダウンロード&展開
#2-6) LinearPhaseGraphicEQのダウンロード&展開
#2-7) ReaPlugsのインストール
#2-0) 各ソフトをインストールするフォルダを決める
インストールするフォルダはどこでもいいのですが、場所を決めておいた方が説明を進めやすいので
各ソフトをインストールする場所を
D:¥Tools¥VoiceChange¥
VSTプラグインをインストールする場所を
D:¥Tools¥VoiceChange¥VstPlugins¥
と仮定します。
もちろん、違う場所にしても構いません。
#2-1) 猿ちぃをダウンロード&展開
「水おいしいです^o^」さんのところから「猿ちぃ03」ダウンロードするか
Vectorから猿ちぃ04をダウンロードします。
使うものはVSTプラグインを読み込める「猿ちぃ++」以降のものであればどれでも構いません。
ダウンロードしたら、2-0のフォルダに展開します。
D:¥Tools¥VoiceChange¥SaRUty¥
#2-2) YAMAHA NETDUETTOをインストール
公式サイトよりWindows版のNETDUETTOをダウンロードし、インストールします。
詳しくは公式サイトのインストールマニュアルを参照して下さい。
→ https://netduetto.net/manual/
#2-3) EffectChainerをインストール
Softpediaさんのサイトを開くと、Downloadのアイコンがたくさん出ていて、どれをクリックすればいいのか迷うと思います。


ダウンロードした EffectChainer102us.exe を実行します。

セキュリティの警告が出ますが「実行」をクリックします。
(信用できない方は「キャンセル」をクリックしてインストールを中止して下さい)
インストールが始まりますので「NEXT」ボタンを押して進めます

ライセンス契約について英語で長々と書かれていますが、とりあえず「I accept the agreement(同意)」を選択し
「Next」をクリックします。
(信用できない方は「Cancel」をクリックして以下略)

インストールするフォルダを変更したい場合は「Browse」をクリックしてインストールするフォルダを選んで下さい。
ここは2-0で決めたフォルダ以外でも構いません。
問題なければ「Next」をクリックします。

次に、猿ちぃで読み込むVSTプラグインをインストールする場所を決めます。
2-0で決めたVSTプラグイン用のフォルダにするなら
D:¥Tools¥VoiceChange¥VstPlugins¥Acon Digital Media¥
となります。

後は適当にボタンをクリックしていけばインストールが完了します。



#2-4) multiFxVSTのダウンロード&展開
EffectChainerの出所が信頼できない方、Windows7の64bitを使用している方は
こちらのmultiFxVSTをダウンロード&展開して下さい。

rar形式で圧縮された multifxvst.rar というファイルがダウンロードされますので
適当な解凍ソフト(WinRAR、Bandizip、7-Zip等々)で展開します。
解凍後、”multiFxVST.dll”というファイルを2-0で決めたVSTプラグイン用のフォルダにコピーします。
#2-5) Roveeのダウンロード&展開
日本語のサイトなので詳細は配布サイトの方を参照して下さい。
g200kgさんのサイトから最新版をダウンロード&解凍したら
”Rovee.dll”を2-0で決めたVSTプラグイン用のフォルダにコピーします。
#2-6) LinearPhaseGraphicEQのダウンロード&展開
日本語サイトなので以下略。
slim slow sliderさんのサイトより
・LinearPhaseGraphicEQ
・LinearPhaseGraphicEQ2
どちらか好きな方の最新版をダウンロード&解凍したら
”LPGEQ_mono.dll”、あるいは”LPGEQ2_1.dll”を2-0で決めたVSTプラグイン用のフォルダにコピーします。
同梱されているreadme_jp.txtや、配布サイトのトップに書いてありますが、
このプラグインを使用するには”msvcr71.dll”が必要です。
こちら→https://www.geocities.jp/webmaster_of_sss/vst/msvcr71.zipからダウンロード&解凍して
Windowsのシステムフォルダ(C:¥Windows¥system32¥)にコピーして下さい。
#2-7) ReaPlugsのインストール
PCスペックに余裕のある方は、こちらもダウンロード&インストールしてみて下さい。
Reaper公式サイトのReaPlugsのダウンロード画面より

!!!注意!!! (2018/06/10追記)
1-7) ReaPlugs(VSTプラグイン)のところにも書きましたが、
猿ちぃが32bitアプリケーションの為、64bit版のVSTプラグインを読み込めません。
ダウンロードする際は32bit版のReaPlugsを選択して下さい。
ダウンロードした reaplugs21-install.exe を実行します。

セキュリティの警告が出ますが「実行」をクリックします。
ライセンス契約について英語で標記されています。

「I Agree(同意)」をクリックして先に進みます。
インストールするプラグインを選択します。

今回は”ReaFir”以外を使う予定はありませんので、それ以外のチェックをすべて外します。
(チェックを外さずにインストールしても構いません)
インストールフォルダを設定します。

2-0で決めたVSTプラグイン用フォルダに変更するなら
D:¥Tools¥VoiceChange¥VstPlugins¥ReaPlugs
となります。
ファイルのコピーが始まり、インストールが完了します。



最後まで終わると、このようなフォルダ構成になると思います。
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3:使い方
目次
3-1) 猿ちぃを起動
3-2-1) EffectChainerを読み込む
3-2-2) multiFxVSTを読み込む
3-3-1) EffectChainerからVSTプラグインを読み込む
3-3-2) multiFxVSTからVSTプラグインを読み込む
3-4) Roveeの調整
3-5) LinearPhaseGraphicEQの調整
3-6) 設定内容の保存
3-7) ReaFIRを使ってみる
#3-1) 猿ちぃを起動
今回は猿ちぃ04で説明します。

インプットを BEHRINGER USB WDM AUDIO
アウトプットを Yamaha NETDUETTO Driver(WDM)
にします。
XENYX302USB以外のオーディオIFを使用している方は、そのデバイス名を選択して下さい。
#3-2-1) EffectChainerを読み込む
猿ちぃの「VST読込」ボタンをクリックすると、VSTプラグインを選択する画面が開きますので

EffectChainerのVSTプラグインを選択して読み込みます。
初回読み込み時は何か聞いてきますが、あまり気にせず「はい」をクリックしても大丈夫です。



#3-2-2) multiFxVSTを読み込む
multiFxVSTを使用する場合は、2-4でコピーしたmultiFxVSTのVSTプラグインを読み込みます。


(*) 注意!!!
multiFxVSTを使用する際、ウィンドウ右上の「×」ボタンは使用しないで下さい。
「×」ボタンで閉じようとすると、何故かmultiFxVSTが固まります。
multiFxVSTを閉じる際には、猿ちぃの「VST開放」ボタンをクリックして、閉じて下さい。
#3-3-1) EffectChainerからVSTプラグインを読み込む
EffectChainerから、使用するVSTプラグインを読み込みます。

まずは”Rovee.dll”を選択。

同じような手順で”LPGEQ_mono.dll”を追加します。



”LPGEQ_mono.dll”はモノラル音源専用のVSTプラグインです。
その為、選択した際に「ステレオ音源はモノラルになります」という注意がポップアップしますが
マイクからの入力はモノラル音源ですので、気にせず「OK」をクリックして下さい。
”LPGEQ.dll”を選択すればステレオ音源にも対応していますが、ちょっとだけ遅延が増加します。
61バンドEQを追加したい場合は”LPGEQ_mono.dll”の代わりに”LPGEQ2_1.dll”を追加します。

#3-3-2) multiFxVSTからVSTプラグインを読み込む
multiFxVSTから、使用するVSTプラグインを読み込みます。

まずは”Rovee.dll”を選択。

同じような手順で”LPGEQ_mono.dll”を追加します。


61バンドEQを使用したい場合は”LPGEQ2_1.dll”を追加します。

#3-4) Roveeの調整
EffectChainerの場合は画像のように、”RoVee”の右端のアイコンをクリックします。

multiFxVSTの場合は、画像のように、”Rovee”を選択した状態で”Effect”タブをクリックします。

”Rovee”の画面が表示されます。

調整方法については、作者のサイトにパラメータの説明や、使用方法を解説した
ニコニコ動画へのリンク等ありますので、そちらを参照して下さい。
#3-5) LinearPhaseGraphicEQの調整
EffectChainerの場合

multiFxVSTの場合

”LinearPhaseGraphicEQ”の画面が表示されます。

操作方法については、見たまま直感で操作出来ると思います。
ボイチェンでEQの調整を行う際の基本的な調整として、
・Lowカット:100Hz以下の低周波数帯はカット
・Highカット:16kHz以上の高い周波数帯もカット
・後は元の声質によって、中域(400~2.5kHz)を下げたり上げたりして調整する
イメージとしてはこんな感じを基準に、自分の声質に合わせて調整して下さい。

#3-6) 設定内容の保存
各プラグインの調整が終わったら、内容が消えないよう、設定を保存しましょう。
・EffectChainerの場合

赤枠内の適当な場所で右クリックして出てくるメニューから「Save Chain…」を選択します。
ファイルの保存画面が出てきますので、好きな名前を付けて保存して下さい。
次回からは3-2-1)の手順でEffectChainerを読み込んだ後、
同じように枠内の右クリック→「Load Chain…」を選択し、保存した設定ファイルを読み込めば
調整した内容を呼び出せます。
・multiFxVSTの場合

画面右側の「SAVE」をクリックするとファイル保存用の画面が表示されるので
好きな名前を付けて設定を保存して下さい。
次回からは3-2-2)の手順でmultiFxVSTを読み込んだ後、
同じように画面右側の「LOAD」をクリックし、保存した設定ファイルを読み込めば
調整した内容を呼び出せます。
ここから先は、ある程度PCスペックに余裕のある方、
また、猿ちぃ&VSTプラグインの操作にある程度慣れた人向けです。
#3-7) ReaFIRを使ってみる
ReaFIRを使用する為に
1) reafir_standalone
2) Rovee
3) reafir_standalone
というように、RoveeをReaFIRで挟むような構成でVSTプラグインを読み込みます
・EffectChainerの場合

・multiFxVSTの場合

3-7-1) 1つ目のReaFIRをノイズゲートとして使う
操作方法は下図を参照して下さい。







”Automatically build noise profile”のチェックを入れている時に
声や物音がマイクから入力された場合は、一旦チェックを外してもう一度チェックを入れて下さい。
3-7-2) 2つ目のReaFIRをEQとして使う
操作方法は下図を参照して下さい。








話しながらEQ調整するのは結構きつい作業なので
やり方がわかる人は、一度地声で会話や台詞を録音してから
その再生した音声を猿ちぃのインプットで拾う設定にし、
繰り返し再生をしながら調整するといいと思います。
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4:Skypeで使う
ここまで来たら後は簡単です。
Skypeの設定画面からオーディオ設定を開き、
マイクのデバイスに「Yamaha NETDUETTO Driver」を選択するだけです。

会話を始める前に猿ちぃの”Start”ボタンは、忘れないように押して下さい。

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